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特定社労士「労働者代理人」の視点

大阪・梅田で「労働紛争解決(あっせん等裁判外紛争解決手続の労働者側代理など)」「就活」「転職」を支援するリクルートグループ出身の特定社会保険労務士が一筆啓上!すべての「働く人」に役立つ知識と知恵をご紹介します。

「民事調停代理権」「訴訟代理権」をめぐる本音と建前。特定社労士制度のゴールはどこか?

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第8次社会保険労務士法改正では、最終的に労使紛争事件での「民事調停代理権」の獲得について、事前に喧伝されていたにもかかわらず、残念ながらリセットされてしまいました。

 

8次改正案は既に衆院を通って参院に送られていますから、秋の臨時国会で法案が参院を通過し、社労士に、代理人弁護士の下での「補佐人」としての「出廷陳述権」が認められることになりそうです。それは確かに大きな一歩だと思います。しかし、特定社労士の単独受任に紛争目的額の制限があるよう様な、行政型ADRにも大きく劣後する民間型ADR、紛争目的額が8次改正で60万円から120万円に引き上げられたとしても、目的額160万円と見做される解雇などの「地位確認請求」では弁護士と共同受任しかできない様な民間型ADRの代理権には、大した意味があるとは思えません。精々、使用者側から民間型ADRに持ち込まれた場合の対応としての意味があるくらいで、労働者側にたってADRで解決を図ろうとするなら、現状では紛争目的額に制限のない行政型ADRが現実的な選択肢となります。

 

しかしその行政型ADRにも、相手方が申し立てを受諾しない時にはあっせんに入れないという問題がある。そうするとADRのもう一つの選択肢で、長い歴史を有する司法型ADRの「民事調停」代理権獲得に期待のかかるのは当然です。正当な理由なく出頭しない者は5万円の過料に処せられる「民事調停」は申し立て拒否も少なく、合意し「調停調書」に記載されれば判決と同じ効力があり、強制執行を行うこともできる。民間型や行政型の様に、強制執行のために裁判をする必要もなくなるわけですから。

 

長年、特定社労士の「簡裁代理権」獲得に向けての動きがありますが、これにはあまりにも高いハードルがあります。もしこれに本気で踏み出すのであれば、現行の特別研修、紛争解決手続代理業務試験に加えて、民事訴訟法を中心とする大がかりな能力担保の仕組みが別途必要となるでしょう。それはもはや社労士制度の延長線上にあるものとは言えないのではないかと私は思います。韓国の「公認労務士制度」の様なものを別につくり、それに移行することを望む社労士だけが、移行試験を受けるという様なことでないとおかしいと思います。

 

しかしそこまですることが、日本における法曹の位置づけ、“司法制度改悪”による今日の弁護士を取り巻く環境の変化などに鑑みて、望ましいのかどうか。甚だ疑問と言わざるを得ないと思います。

 

本音としては、民事訴訟法の10分の1程度に過ぎない「民事調停法」について、特定社労士に能力担保研修を実施することを前提に、司法型ADRである「民事調停」のうち労使紛争にかかわるものの代理権を獲得できる様に、働きかけを実施していくべきではないか、そう思います。8次改正の「補佐人」としての「出廷陳述権」は非訟事件にも及ぶわけですから、当然に「民事調停」での「補佐人」としての機能はあることになるわけです。そうであるならば法案が参院で可決成立したら、直ちに特定社労士に「民事調停法」研修を義務付けるというのはどうでしょう?その修了者の数の力をもって、第9次改正で「民事調停代理権」獲得の交渉をしかければと考えます。

 

いや、しかし民間ADRの紛争目的額にさえ横やりをいれてくる様な団体を相手に交渉していかないといけないわけですから、それくらいで一筋縄にいくはずもない(笑)。であるならば要求は従来通り、高々と「簡裁代理権」に定めて掲げ、落としどころを「民事調停代理権」にするくらいで丁度良いのかもしれません。だとすると…。

 

まあ、そんな戦略性を持って交渉できるハード・ネゴシエーターが社労士側に居て交渉していたら、特定社労士制度が始まって10年近くも、労働紛争の解決に対して大した実を上げないまま、今日まで塩漬けという様な状況が続く筈もないですけどね(笑)。 

 

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