STAP細胞研究不正の労働問題的アプローチ
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年末に理研が検証実験結果を発表し、今となってもうあまり話題にもならなくなった「STAP細胞研究不正問題」。
論文の不正、再現実験の不成功は明らかになっていましたが、不正に対する小保方氏の不服申立はなく、不正が確定したというのがニュースになっています。
Yahoo!ニュース - <STAP論文>小保方氏不服申し立てせず 理研処分へ (毎日新聞)
社労士的には、この記事で注目したいのは、理研がSTAP細胞の有無を確かめる検証実験等のため、中断していた「懲戒手続きを再開する」という部分です。
記事にもある様に、小保方氏の自己都合の「退職願」は既に受理されていて、実際の「懲戒処分」はできないわけですが、国家予算も投入されている理研の研究における不正ですから、今後の事もありますし、「○○処分相当」という結論は出さざるを得ない。そういうことだろうと思います。
この小保方氏の「自己都合退職」⇒「懲戒手続再開」⇒「処分相当の開示」という理研の労使関係の処理について、どうあるべき、こうあるべきというのは、様々に意見があるところでしょう(ちなみに「任期制」の研究員だったので「退職金」はもともと無かったとのこと)。
当然、理研にも「就業規則」があるはずですし、厳密に言えば懲戒処分が決定されるまで自宅待機として、処分が決定されてから、「退職願」を受理するのか、処分に基づき「諭旨解雇」や「懲戒解雇」で処理するのかを決めるのが、社会通念としては一般的かもしれません。その意味では「小保方氏の心労を考慮して退職願を受理」というのは、かなり温情のある措置です。
加えて、当然理研の「就業規則」にも「損害賠償規定」、従業員(研究員含む)に対して「故意や重大な過失により会社(法人)に損害を与えたときは、会社(法人)は損害の範囲で賠償金を請求できる」旨の規定はあったでしょうから、この点もおそらくは、今回のケースについては先に「退職願」を受理して、損害賠償請求も行わないということで決着したのだろうと思います(「余計な事はしゃべりません」という約束があったか無かったかは定かではないけど…)。
理研の措置の良し悪しを論評するつもりはありませんし、就業規則通りの処分であるべきかどうかも意見の分かれるところですが、「研究員」であっても労使関係における「労働者」として、こうしたリスクを負っているという認識は、今後必要でしょう。
今回の小保方氏のケースでは、ルールが「厳格適用されなかっただけ」という理解が、この件の労働問題的アプローチとしては、本筋だと私は思っています。
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