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特定社労士「労働者代理人」の視点

大阪・梅田で「労働紛争解決(あっせん等裁判外紛争解決手続の労働者側代理など)」「就活」「転職」を支援するリクルートグループ出身の特定社会保険労務士が一筆啓上!すべての「働く人」に役立つ知識と知恵をご紹介します。

「内定辞退」のルールとマナー。新卒売り手時代の「就活新常識」。

採用問題 労働問題解決方法

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ネットで検索すると「内定取消し」についての労働法の解説は、比較的最近のブログ記事やコラムにも出てくるのですが、「内定辞退」の法解釈となると、2007年とか2008年とか、ここ10年でめずらしく新卒採用が「売り手市場」だった時期のものが目立つくらいで、あまり新しいものが出てきません。そこからも2014年新卒採用までの厳しさがよくわかります。

 

しかし、今年の2015年新卒採用で一転売り手市場に転じ、来年の2016年新卒採用以降は採用スケジュールが3ヵ月後倒しの短期決戦になることから、企業側の新卒採用における至上命題は、どう「内定者歩留率」を上げるかになってきます。

 

そうなると、強硬な内定者の引き留め策として、「当社は内定通知を出し、あなたはそれに対して承諾書を提出した。労働契約は法的にもう成立している。軽々しく考えてもらっては困る」とか「内定を辞退した場合は損害賠償を請求する」などといった脅し文句が、企業の人事から頻繁に出てくることが考えられます。

 

これらにどう対処すべきでしょうか。

 

まず前者の「当社は内定通知を出し、あなたはそれに対して承諾書を提出した。労働契約は法的にもう成立している」については、解釈として間違いではありません。これについては「内定取消し」の投稿でも書いたように、「始期付解約留保権付労働契約成立説」が確立しています。殆どの学生は労働法に通じていないわけですから、そう言われると「入社しなければならないのか」と諦めるかもしれません。そこを狙っての発言だと思いますが、もちろんこれについては、民法627条1項により、労働者(この場合は内定者のこと)は契約期間の定めのない労働契約の解約の申し入れをすることができ、申し入れの日から2週間を経過することによって契約は終了します。ですから、法的には2週間の予告期間を置けば、内定者(労働者)の側から一方的に内定辞退(労働契約を解約)することは可能です。

 

では入社日直前になって、2週間の予告期間もなく内定を辞退して、会社に損害を与えてしまった場合どうなるでしょうか。これが後者の「内定を辞退した場合は損害賠償を請求する」と関係してきます。確かにこうしたケースでは損害賠償請求される可能性はないわけではありません。ただ現実的には、個別の内定者に掛けた費用が数百万円に及ぶというケースは稀でしょうし、訴訟になっても内定者に多額の損害賠償が命じられるとは考えにくいため、訴訟費用を考えても裁判になることはあまりないと想定されます。

 

但し、これはあくまで法解釈の話であって、こうした非常識な内定辞退は個人の問題であっても、実際には所属の大学やクラブ等の所属団体に、後輩の採用などを通じ、間接的に影響する可能性があります。また同業他社なり、関連する業界で本人が仕事をする上でも少なからず影響が出るかもしれません。

 

従って、常識的には「内定通知を受け入社承諾書を提出」する、つまりは「始期付解約権留保付労働契約」が成立する最終学年の10月1日までに、内定辞退を伝えておくべきであり、それがマナーだと思います。厳しい言葉を浴びせられることもあるかもしれませんが、複数内定者には、「就活の後始末」も社会人の第一歩と考え、早め早めの行動が望まれます。

 

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