特定社労士「労働者代理人」の視点

大阪・梅田で「労働紛争解決(あっせん等裁判外紛争解決手続の労働者側代理など)」「就活」「転職」を支援するリクルートグループ出身の特定社会保険労務士が一筆啓上!すべての「働く人」に役立つ知識と知恵をご紹介します。

本当に女性が働きやすい労働政策か?「男女雇用機会均等法改正」「女性管理職数値目標」「女性活躍相」の逆機能。

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私は2004~2005年にかけて、店舗開発のSPA(製造小売)の様な、内装資材のメーカーであり、チェーン店の店舗内装設計・施工を行うベンチャー企業で、取締役管理本部長を務めていました。

 

デザインというクリエイティブな要素があるので、中途採用、新卒採用を問わず女性の入社希望者はとても多く、実際多数採用もしました。しかしその一方で、そもそも店舗内装の施工というのは非常に短期間の工期で行われ、商業施設内の現場などでは夜間工事になることもしばしばで、設計・施工の現業社員の労働時間は非常に不規則になりがちです。法に触れない範囲でといっても、女性社員と男性社員を同様に取り扱うというのは、実際にはとても困難なことでした。

 

また親しい友人の銀行員からは、女性総合職の「原職復帰」の問題が、採用上のネックになるという話もよく聞かされました。

 

均等法を強化するのが悪いというのではないのですが、本来の「機会の均等」という趣旨を超えて、「結果の均等」を求めるのに近い法改正がなされればなされるほど、実際に女性が働きやすくなるということに対して、法に触れない範囲の「逆機能」が働くことがとても多い。そういうイマジネーションが、政治家や政策担当者に欠落しているのではないかと最近よく考えます。

 

「結果の均等」への動きが行き過ぎているのは、安倍政権下の成長戦略の一環として、2020年までの管理職女性比率30%目標化や、極めてセンスの悪いネーミングの「女性活躍相」の設置を見ても明らかですし、多分に選挙対策の意味合いも強いのだと思いますが、これらの動きが本当に女性が働きやすい社会の実現に繋がっていくのかというと、大いに疑問を感じます。

 

業種業態によって、男女が全く同じ様に、あるいは女性が主役である方が良い職場もあれば、その逆もある。管理職になることやボードメンバーになることよりも、ワーク・ライフ・バランスの下で長く働き続けられることを望む女性も沢山いる。そうしたことと、本来の「機会の均等」に立ち戻って、「保育所待機児童ゼロ」「限定正社員制度の適切運用」といった、もっと地道で不可欠なことを積み上げる努力が今求められています。

 

まずはそこから成果を上げていくべきだと思うんですが、現政権の中枢とその取り巻きは、そういう地味なことにはあまり関心を示さない様です。労働問題ほど拙速な改革が仇になるということを理解していない人間達が労働政策を動かしている。少なくとも風向きはそのように感じられます。

 

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