特定社労士「労働者代理人」の視点

大阪・梅田で「労働紛争解決(あっせん等裁判外紛争解決手続の労働者側代理など)」「就活」「転職」を支援するリクルートグループ出身の特定社会保険労務士が一筆啓上!すべての「働く人」に役立つ知識と知恵をご紹介します。

「たかの友梨ビューティクリニック」賃金未払いの挙句に社長自らパワハラ。「不当労働行為」救済の申し立てに発展。

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一昔前ならいざ知らず、このご時世にここまで愚かな経営者がいるとは、ちょっと驚きです。

 

先日公式ブログの方で取り上げた「たかの友梨ビューティクリニック」の賃金未払いの件ですが、労基署の是正勧告に真摯に対応しているのかと思いきや、是正勧告後に、運営会社である「不二ビューティ」の高野友梨社長自らが、賃金未払を労基署に申告した女性社員を飲食店に呼び出し、他の従業員がいる前で、2時間半にもわたって「会社を潰してもいいのか」などと詰問。女性はそれが原因で精神的ショックから出勤できなくなり、女性が所属する労働組合ブラック企業対策ユニオン」が労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てた様です。

 

この2時間半の詰問の中で、36協定についても「全店うやむや」「知らない」などとし、「誰が労組に入ったか」「組合活動をやめろ」などと発言して、それらを録音され、公開されてしまいました。

 

この会社には顧問弁護士や顧問社労士はいなかったんですかね?「裸の王様」のオーナー経営者は沢山見てきましたけれど、ここまでの人はなかなかいません。是正勧告にきちんと対応し、労使関係改善に取り組めば、それだけで会社が潰れるようなことははなかった筈ですが、是正勧告後にオーナー経営者自らがパワハラした様子を録音され、労働委員会に「不当労働行為」の救済を申し立てられたら、救済命令が出る確率はかなり高いでしょうし、それを契機として、時効になっていない他の残業代・賃金未払請求はもちろん、解雇や退職勧奨、パワハラ等の損害賠償請求も、堰を切った様に出てくる可能性があります。「会社を潰してもいいのか」と凄んだオーナー経営者自らが、自分の首を絞めた格好です。

 

今頃、利に聡い弁護士さんが、「私が貴方をお守りします」と言いながら、社長のもとに駆けつけていることでありましょう。この件、最終的にどう着地するのか今後も注視していきたいところです。

 

労働紛争が大きくなることは、労使ともに疲弊させるので、普段は好むところの解決方向ではないのですが、このケースでは使用者側になんらかの変化を求めるのはもはや難しいのではないかと思います。労働者は、手段が目的化しない様にだけ留意して、こういう場合はやるべき闘いはやった方が良いでしょうね。

 

昨年のワタミに続く、今年の象徴的な労働事件になるかもしれません。

 

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