特定社労士「労働者代理人」の視点

大阪・梅田で「労働紛争解決(あっせん等裁判外紛争解決手続の労働者側代理など)」「就活」「転職」を支援するリクルートグループ出身の特定社会保険労務士が一筆啓上!すべての「働く人」に役立つ知識と知恵をご紹介します。

「育児休業」後の不利益な取扱いにどう対処するか?権利主張の前にディスカッションが大切。

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隆々たる大企業ならいざ知らず、中堅企業も含んでそれ以外の多くの企業では、育児休業後の職場復帰についてきちんとしたルールが確立され、そのルールが適切に運用されているというのはまだ少数かもしれません。

 

育児・介護休業法では、

(1)会社は、産前・産後の休業や育児休業、介護休業をすることを理由に労働者を不利益に扱ってはならない(第10条)、

(2)会社は、労働者を転勤させようとする場合、その労働者の育児・介護の状況に配慮しなければならなない(第26条)、

とされているものの、「原職復帰」については、厚労省の指針で「原則として原職又は原職相当職に復帰させることが多く行われているものであることに配慮すること」しており、法定の義務ではありません。

 

また、会社には、育児・介護休業法の21条で「休業後の賃金、配置、その他の労働条件を就業規則に明示する」、22条で「円滑に職場復帰が行われるための必要な措置(労働者の職業能力の開発や向上のための研修など)を講ずる」のを「努力義務」としています。従ってこれらも法定の義務ではありませんから、「何を」「どの程度」行うと「不利益な取り扱い」となるのかは、判例を等をみながら判断していくしかなさそうです。

 

まず労働者の立場としては、就業規則やその他規程でこの辺りの取り扱いがどうなっているのかを確認することから始めるべきでしょう。いきなり弁護士同席の面談やコミュニティ・ユニオンに加盟しての団体交渉を人事部(総務部)に申し入れたりして、「戦闘態勢」をみせない方が賢明です。

 

確認した内容を基に、「実現可能」で「安心して働ける」ルール化を目指して話し合うというのが良いのではと思います。自分一人のことというより、同じようなケースが今後出てきた場合のルール作りという視点で人事部(総務部)にミーティングを要請すれば、真性ブラック企業でない限り、話し合いのテーブルにはつくことができるのではないかと思います。

 

話し合いの内容について自分で整理できなければ、「労働者側社労士」に労働相談して、交渉内容を整理してもらえば良い。多少の相談料等が掛かっても、職場環境を良くして、働きやすくできればリターンは十分あります。権利主張の前に、プロアクティブに職場環境の改善に動き出す。それが労働問題解決の最も効果的な策である場合もあるのです。

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