餃子の王将、「未払残業代」2.5億円支払いへ。労基署の是正指導で打開できることもある。
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中華料理チェーン「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの未払い残業代の記事が派手に朝日新聞に出ています。
京都下労働基準監督署の是正指導を昨年12月に受けて調べたところ、昨年7月~今年2月にかけて主に店の従業員923名の残業代2億5500万円を適切に支払っていなかったということらしく、「労働時間管理が甘かった。再発防止に努めたい」というコメントを王将側は出している様です。
この短い記事から分かることが一つと、謎が一つあります。
まず分かることの方は、923名分の残業代が8カ月間で2億5500万円の未払いということは、従業員一人当たり月3万4500円の残業代が支払われていなかったということ。店の現業の従業員ということからすると、25%割増で平均1200円/時間で単価計算しても、これは月28~29時間に相当するわけですから、月20日出勤の人で、ざっくり1日当たり1時間30分の残業が管理できていなかったということになります。これは労働時間の端数の切り捨てを間違ったとか、そういう「労働時間管理が甘かった」というレベルの話ではありません。「根本的に労働時間管理がおかしい」というレベルの話でしょう。
それから謎の方ですが、これは未払残業代が、昨年7月~今年2月の8ヵ月分に限定されいるということです。それ以前が適正に時間管理されていたのであれば、もちろんそれで構わないのですが、「担当者が変わって間違った」という様なことでもない限り、通常はそれ以前も同じルールで労働時間管理していたと考えられます。そうなると、労働債権の時効は2年ですから、2年分7億5000万円の支払いでもおかしくなかったはずです。このあたりは、本当のところどうだったのか。非常に興味のあるところです。しかし、まあ、王将さんだから大丈夫でしょうけど、いくら大手チェーンでも、自業自得とは言え、急に7億5000万円ものキャッシュが要るとなれば、経営へのダメージは小さくはないでしょうね。
これが大手チェーンだから、ある種の見せしめで行われた是正指導なのかどうなのか、定かではありません。労働基準監督官の数が全く足りていない現状は理解しますが、本来明確な法律違反の未払残業代請求についてくらい、今回の様に証拠が揃えば、司法の場でなく、行政の段階で強く対処してもらいたいものです。たとえ、それが大手の案件でなくても。
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