特定社労士「労働者代理人」の視点

大阪・梅田で「労働紛争解決(あっせん等裁判外紛争解決手続の労働者側代理など)」「就活」「転職」を支援するリクルートグループ出身の特定社会保険労務士が一筆啓上!すべての「働く人」に役立つ知識と知恵をご紹介します。

飲食業の無法な労務管理と求められる法改正。

f:id:obanasr:20140614175611p:plain

産経新聞に「『もうブラックと呼ばせない』ワタミ、労働環境改善、新業態で再成長目指す」との記事が。さすが新自由主義者の機関紙といわれる産経新聞だけのことはあります。よくもこんな中身のない提灯記事が書けたものです。それともペイドパブリシティなんですかね(笑)?

 

誤解の無い様に申し上げておきますが、別に私はアンチ・ワタミというわけではありません。「和民」には行かないですけど、専門店の「炭旬」の焼き鳥は品質と価格のバランスが良くリーズナブルで嫌いじゃありませんし、よく利用していた時期もありました。しかしこの記事のどこにも「労働環境改善」の具体策など書かれていません。書いてあるのは、専門店新業態で店舗当たりの収益性を高めるという話ばかり。勿論そうでなければ人員配置や労働時間の問題も解決しないのは事実ですけど、「365日24時間死ぬまで働け」という表現のあった「グループ理念集」を改訂しましたというのは、別に労働環境改善策ではないですよね。

 

現場任せにしない労働時間管理とか、健康管理への独自の取り組み、法定を先取りするメンタルヘルスチェックなど、直ぐに実行できそうな施策もたくさんあるはずですが、数年前の従業員の過労自殺にある程度自社の非を認めて数カ月経っても、何ら具体策が出てこないところが、飲食業界の労務管理における長きにわたる無法性の顕れなのかもしれません。極めてその種の事に鈍感だということでしょう。

 

介護業界も飲食業界同様、労働環境が良いとは言えない業界ですが、平成24年介護保険法改正で、労働諸法令に反し罰金刑を受けた企業の介護保険事業所指定の取消し等が行われ得ることになり、労務コンプライアンスに一定の効果が出ていると聞きます。ワタミでさえこの程度の認識なのですから、飲食業の無法な労務管理に歯止めをかけるには、営業許可に労働者を雇用して業を営む場合の、食品衛生法以外の規制を加えることも真剣に検討すべきではないかと私は思います。

 

規制緩和の時流に反するという人もいるでしょうが、飲食自体が過当競争なんですから、人を雇ってまで違法な事業を営む事業者を取り締まるくらいで丁度良いのではないでしょうか。マーケットも縮小しているんですし…。

 

なお弊所は、飲食業界で働く人の「未払い残業代」「長時間労働」の問題等についても、積極的にサポート致します。私がかつて店舗開発の家具・建具メーカーで取締役管理本部長をしていた時代に、クライアントである飲食運営会社の労務相談を多数ご支援しましたので、経験豊富です。企業側の事情に通じ、攻め所も熟知していますから、現行法の下でも効果的で労働者の実利に適う解決策をご提案できます。お気軽にご相談頂ければと思います。

 

f:id:obanasr:20140614175611p:plain

 

いつもお読み頂きありがとうございます。

沢山の方に読んで頂きたいので、

よろしければ、↓ をクリックして下さい。


社会保険労務士 ブログランキングへ

f:id:obanasr:20140527231948p:plain