特定社労士「労働者代理人」の視点

大阪・梅田で「労働紛争解決(あっせん等裁判外紛争解決手続の労働者側代理など)」「就活」「転職」を支援するリクルートグループ出身の特定社会保険労務士が一筆啓上!すべての「働く人」に役立つ知識と知恵をご紹介します。

あるパワハラの構造。優秀な人材のベンチャー転職が機能しない理由。

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ベンチャー企業というのは、当たり前ですがオーナーシップの強い企業です。ですからベンチャーへの転職を考える時に、「オーナーと上手くやれるか」は最重要チェックポイントです。人材紹介会社の担当者やサーチファームのヘッドハンターも必ずそうアドバイスします。

 

しかしそんなことは誰でも言える当たり前のことで、実はオーナーと上手くやれても、ベンチャー転職が成功するとは限りません(何をもって成功とするかは人それぞれですが、まあ、とりあえず「これまでより気分よく仕事ができるようになった」というのを成功の定義としましょう)。社歴が浅いのに中途採用で専門性の高い人材を補強しようという成長力のあるベンチャーの場合、中には相当な変わり者のトップマネジメントも居ますが、多くは人を惹きつける魅力にあふれたオーナー経営者であるわけですから、第一印象で合う合わないはあるにしても、そこで生理的に合わないとさえ感じなければ、付き合い方次第でオーナーとの関係はどうにでもなることの方が多いと思います。

 

むしろベンチャー転職が上手くいかない原因は、実体験からもそう感じますが、オーナー経営者を取り巻く「創業メンバー」との軋轢による方が、はるかに多いのではないかと思います。ベンチャー企業の「創業メンバー」というのは、もちろん例外がないわけではありませんが、ハッキリ言ってしまうとその殆どが低レベルで、人間的にも未熟な人達の集まりです。

 

そりゃそうですよね、自分で起業したとか共同創業者だというならまだしも、他人が起業した明日をも知れぬ知れない企業に身を寄せて、たまたまオーナーが優秀だから「偉くなっちゃった人達」が大半なわけですから。普通に考えれば、あまり優秀な人はそこに含まれてはいません。しかもそういう連中に限って、オーナー命の「お局体質」とか「幇間(たいこもち)体質」の人間が多い。殆どの「創業メンバー」というのはその部分でしか存在意義のない人達なわけですから。

 

実際にパワハラの労働相談では、ある程度会社が成長し、IPO等が視野に入ってきて、組織や管理体制を整備しなければならない段階で転職した優秀な人材が、一生懸命に仕事をすればするほど、無能な「創業メンバー」の上司等からの嫌がらせが酷くなり、大きな労働トラブルに発展するというケースが少なくありません。

 

「創業メンバー」の目には、新参者の優秀なスペシャリストが推進する業務改善が、これまでやってきことの「否定」の様に映るのでしょうけれど、「能力」がなければ「度量」をみせて、「貴方の能力のお蔭で会社はまた一段レベルアップできました。ありがとう。これからも力を貸してください」というスタンスに立てば良いものを、そうできない。「お局体質」「幇間体質」の未熟な人間が多いからそれも致し方ないわけです。

 

一言で言ってしまえば、このタイプの「パワハラ」の原因は「ジェラシー」ですが、ベンチャー企業ではこれは日常茶飯事と考えておいた方が良い。だからベンチャー企業へ転職する場合は、できるだけ主要なメンバー(必ずしも役員とは限らない)に沢山会わせてもらってから判断した方がベターです。そしてそれ以上に大切な事は、オーナーであるトップマネジメントが、組織のためと判断したら、「創業メンバー」であろうとも切り捨てることのできる知性と精神力を持ち合わせているかどうか、これを見極めることです。それが見極められなければ、ベンチャーへの転職はあまりお勧めしません。

 

エージェントなどの安易な外野の声に左右されないで、判断材料を十分に手に入れてから行動に移すこと。もちろん、最後が「エイ!ヤッー!」であることには間違いありませんし、慎重にやってもそれでもハズレはありますが(笑)、下らないパワハラの後遺症は結構重いですから、ある程度の注意深さはあっても良いと思います。スタートアップ、ベンチャーという甘い言葉に踊らされてはいけません。

 

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