特定社労士「労働者代理人」の視点

大阪・梅田で「労働紛争解決(あっせん等裁判外紛争解決手続の労働者側代理など)」「就活」「転職」を支援するリクルートグループ出身の特定社会保険労務士が一筆啓上!すべての「働く人」に役立つ知識と知恵をご紹介します。

「辞めさせない企業」対策はまず「社労士に労働相談」。「介護」を手本にした法規制で「根治」必要だ。

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大都市圏中心の問題ではあるが、サービス、飲食など、労働集約型産業でここまで人手不足感が強くなると、いわゆる「ブラック企業」の一つの行動類型である「辞めたくても辞めさせない」ための、あらゆる手段を講じてくる企業も出てきます。

 

結論から言えば、アルバイト、正社員はもちろん、有期契約期間中の契約社員であっても、労働条件が労働契約と違っていれば即時に労働契約を解除することができますし、心身の障害や疾病、両親や子供の病気の介護、会社の業務が法令に違反している場合等は、解約が認められています。くれぐれも申し上げておきますが、違法行為を行っている企業を「退職できない」ということはありません。

 

「業務中のミスで会社が被った損害賠償を請求するぞ」とか「懲戒解雇にして転職できない様にしてやる」といった脅しをかけてくる企業に対しては、事案によって労働局、労基署への申告で明確に対処した方が良い。その場合は、少々料金がかかっても、的確に行政に動いてもらうために、労働者側業務を行う社労士に同行・手続き代行をしてもらうと、円滑に進むことが多いでしょう。また、労働者は紛争が解決すればそれで良いというだけでなく、次の仕事をしなければなりません。そのために必要となる手続き書類もありますが、法令違反を何とも思わない企業との拗れた労使関係の下で、これらを揃えるのも骨が折れます。相手が相手だけに社労士に間に入ってもらう方がベターなことが少なくないでしょう。

 

殆ど考えられませんが、仮に既述の様に「損害賠償」云々の話に発展するケースであっても、労働者側で仕事をしている社労士ならば、適切に対応できる弁護士さんの知己も多いので心配は無用です。むしろ「飛び込み」で法律事務所にあたるよりも、ニーズにあった人選を期待できるかもしれません。

 

ここまでは「対症療法」の話。やはりこの「辞めさせない」問題の「根本治療」には新たな「立法」が必要でしょう。

 

一般にはあまり知られていませんが、社労士には、介護保険事業者指定申請・更新の手続き代行という独占業務があります(行政書士がこれを行うことは違法です)。介護事業を行う事業者は、介護保険を使わないで事業を成り立たせることはできませんから、須らくこの申請・更新を行うわけですが、平成24年の介護保険法改正により、この指定・更新時に、労働諸法令を遵守していない事業者等について、指定・更新を行わず取り消しをできる等、新たに定められました。

 

許認可事業でなければ難しい側面もありますが、飲食でも保健所の営業許可がありますし、「介護」の例にならった法改正を行うことで、「辞めさせない企業」を牽制することができるのではないかと考えます。介護業界の反応を見ても、少なくとも一定の効果は期待できそうです。

 

社労士法改正だけでなく、「労使関係改革」のための立法へのアクションは、これから社労士側として取り組むべきテーマではないかと思います。

 

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