特定社労士「労働者代理人」の視点

大阪・梅田で「労働紛争解決(あっせん等裁判外紛争解決手続の労働者側代理など)」「就活」「転職」を支援するリクルートグループ出身の特定社会保険労務士が一筆啓上!すべての「働く人」に役立つ知識と知恵をご紹介します。

「就活しなければならない不幸」と「就活できる幸せ」について。

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今日は「就活問題」について。就活生も「内定者」になれば「労働者」ですからたまにはこういうのもありでしょう。

 

労働、特に日本の雇用の特殊性と、それを変える(それが変わる)には相当の年月がかかるということを全く理解してない門外漢が、「新卒一括採用の廃止」などという、現在の教育システムに組み込まれている学生にとって、明らかに不利に働き、社会を混乱させるであろう問題提起を、最近よく無責任かつ発作的に行います。さもそれが「社会正義」でもあるかの様に。

 

もし「新卒一括採用」の廃止を提案するなら、「職業教育」をどのセクターで、どのように、どれくらいやるのかが明確になっていないといけない。これは「労働」を語る人間の最低限の常識です。

 

現在はかなり崩れつつあり、それが問題を引き起こしている部分もありますが、基本的には現在でも、殆どの場合学校や公共職業訓練セクターでなく、産業界・企業セクターが「職業教育」「職業訓練」を行うことを「建前」にしているから、「新卒一括採用」という企業側にとって効率的であるとともに、何らの「職業訓練」も積んでいない学生にとっても、一定の「職業訓練」を積んだ者と別枠で採用されるという、はかり知れないメリットを享受できるシステムが維持されているわけです。

 

万一、「職業教育」の担い手や方法に関するオルタナティブが何ら確立されないまま、「新卒一括採用」を廃止などすれば(馬鹿な脳科学者や浅薄な起業家がそういう旗をふっているわけですが)、日本の雇用はどうなるでしょうか?ここから先は後進への思いやりとイマジネーションの問題です。

 

その場合、もちろん例外がないとは言いませんが、雇用のメインストリームでは、給与の多寡は兎も角、「定年廃止」に舵を切るなどして熟練者が重宝されるようになり、雇用の「出口」が細くなることが容易に想像されます。そうなれば結果的に何らの「職業教育」も積んでない新卒者には、組織の中で一番初歩的な仕事であるのは仕方ないとしても、わずかな数の「欠員補充枠」という形で「ジョブ」が割り当てられるに過ぎなくなる。これではいくら労働人口が減っているとはいえ、今以上の更なる「若者雇用の劣化」は明らかで、この国の若年層の失業率は急上昇することになるでしょう。これが健全でないことは欧米を見ても想像できるでしょう。

 

もちろん未来永劫、今の様な、運不運に左右されることもあり、学生生活の三分の一程の時間も割かなければならない「新卒一括採用」のままで良いとは、私も全く思いません。だから優れたベンチャー第二創業企業が、大企業が選択しない様な大胆で実のある採用スタイルを確立するは大歓迎です。むしろそのスタイルに「合わせてくれ」なんて大企業に求める様な人は、お門違いというだけでなく、大企業にみすみす手の内を明かす、採用に関しては全くの「ど素人」「お人好し」でしかないと思っています。

 

「就活しなければならない不幸」と「就活できる幸せ」を秤にかけて現時点でどちらが重みがあるかと言えば、やはり「就活できる幸せ」の方が重みがあるのではないか。私はそう思います。もしそれを確かめたければ、良い方法がありまから、試してみると良い。

 

日本の学生の置かれた就活環境をどう思うか、欧米の友人や周りの留学生に質問してみるという方法です。その説明がクリアにできる人なら、就活の本質を理解しているということですから、就活でそう大きな失敗はしないでしょうし、きっと貴方を羨ましく思う外国の友人や留学生はいても、可哀想に思う人はいないでしょう。

 

「グローバルスタンダード」から外れていることを知ることで、「グローバルな視点」で見て自分が幸せであると確認できる。こういうのを真の「国際人」としての第一歩というのではないですかね。

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