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特定社労士「労働者代理人」の視点

大阪・梅田で「労働紛争解決(あっせん等裁判外紛争解決手続の労働者側代理など)」「就活」「転職」を支援するリクルートグループ出身の特定社会保険労務士が一筆啓上!すべての「働く人」に役立つ知識と知恵をご紹介します。

「新卒一括採用」悪者説を追う。結局それは損得勘定でしかない。

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「新卒一括採用」の問題点を指摘する声はとても多く耳にします。しかし、「新卒一括採用」を守ろうとする側だけでなく、批判する側も結局自分の都合、損得勘定で論じているに過ぎません。依然として就活生目線、というより、その後の職業生活も含んで労働者目線でこの問題を論じる人は非常に少ないと思います。

 

概ね「新卒一括採用」批判をする人間は、知名度のないベンチャー経営者かその支援を生業とする人達です。知名度のないベンチャー経営者にとっては、「採用ブランド」のある大企業に有利に働く「新卒一括採用」を何とか壊したい。この仕組みさえ無くなれば、インターンシップなどを通じて、喉から手が出るほど欲しい優秀な学生を、初心なのをいいことに「だまくらかして」比較的容易に採用するチャンスも増えるからです。もちろん、彼らベンチャー経営者にとって採用活動は営業活動にも匹敵する重要課題ですから、彼らが採用に必死になるのは当然だし、私はそれを批判するつもりもありません。むしろ採用に必死になる経営者が増えて競争が激しくなればなるほど、就活生、労働者にとっても「良い雇用」が生まれるからです。ですが、そのために「新卒一括採用」止めることがまるで「世のため人のため」「社会正義」であるかの様な言い草には、正直、嫌悪感がこみ上げてきます。明確に「損得勘定」であるのにもかかわらず、二流の経営者に限って「建前」でお化粧をしたがるから困ったものです。一流の人は「俺とお前のため」と言って口説くことはあっても、「世のため人のため」とは決して言いません。

 

さらに性質が悪いのは、自らは大企業グループや役所に籍を置いて、スタートアップ支援、ベンチャー支援のエバンジェリスト気取りでいる人間達の就活に対する発言です。こういう連中が、自らは寸分のリスクも取らない(取れない)のに、就活生に起業や明日をもしれないスタートアップへの就職を奨めたりするのは、もはや醜悪と言わざるを得ない。そこでは、自らのレゾンデートルの保持のためならば、他人がどうなっても構わないという論理が働いているに過ぎません。倫理のかけらも有りはしません。

 

もちろん今の「新卒一括採用」に問題が多いのは事実でしょう。就活を通じて「失望感」「徒労感」「挫折感」をあじわう若者が沢山いるのも事実だし、その不毛さも理解できない訳ではない。だからと言って、「新卒一括採用」でなく欧米流の「欠員補充型採用」というグローバル・スタンダードに日本も合わせてしまえば、人材育成の手間がかからない中途採用へのシフトが進んで、若者の失業率はヨーロッパ並みとまではいかないまでも、高止まりしてしまうでしょう。それは就活での苦労とは比較にならない程の格差社会を生み出すことになりますけど、それがベンチャー経営者やその支援者の皆さんがお望みの社会でしょうか?

 

私は「新卒一括採用」というシステムが悪者であるとは思いません。むしろこれは、人を育てることを社会がコミットしている慣習なんです。グローバル・スタンダードに合わせたら日本が強くなるなんて言うこと自体が幻想で、他国にない武器を自ら放棄することはあまり賢いとは言えない判断です。

 

「新卒一括採用」を突き崩すために、成長力のあるベンチャーがそれに風穴をあける独自の採用スタイルを確立するのは大賛成です。しかし、一括採用を行う大企業に自分たちのルールに合わせて欲しいなんてお願いすることは、お門違いも甚だしいというか、情けない。そう私は思います。

 

正々堂々、「損得勘定」で学生を口説くのがベンチャースピリットというものであり、それが「採用ブランド」を創るということです。

 

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